借地借家契約の更新に伴って、賃借人から賃貸人に対して支払われる金銭をいう。借地権又は借家権が期間満了によって消滅しても、賃貸人に正当の事由がなけれぱ契約の更新を拒絶し、土地又は建物の返還を求められないため、賃貸人の要求により、更新料が支払われることが多い。問題は、特段の合意がない場合でも、賃貸人にその請求権があるかであり、これを肯定する説もないではないが、判例(最判昭51.10.1)は、商慣習ないし事実たる慣習として更新料の請求権があるという賃貸人の主張を認めず、通説も同様に解している。なお、更新料の支払につき合意があり、それが賃料の支払と同様に更新後の賃貸借契約の重要な要素として組み込まれ、契約当事者の信頼関係を維持する基盤をなしている場合には、その不払は、その基盤を失わせる著しい背信行為として賃貸借契約の解除原因となり得るとする判例(最判昭59.4.20)もある。

 

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