賃貸借契約に基づく貸借人の権利をいう。賃貸借契約は双務契約であるので、賃借人は目的物の使用収益権を有する一方、賃料支払義務を負うのである(民法60l条)が、不動産賃借権にあっては、借地借家法によってその権利が強化されている。不動産賃借権は第三者に対抗することができ、判例上、妨害排除請求権も認められ、物権化している。しかし、賃借権は、契約に基づく債権で当事者間の信頼関係が重視される点から、賃貸人の承諾がないと、譲渡し、又は転貸できない(同法612条)点で物権と異なる。

 

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